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2008年 09月 30日 ( 1 )



今日の出来事


午後からおくりびと観てきました。


午前中、読み聞かせのボランティアの打ち合わせで、
ホスピスの活動をしている方と偶然なのか必然なのかお逢いして、お話して、
とても深い話題ばかりで、非常に考えさせられてしましました。


私の親族に医者が多く、息子も新米医師として医療に携わっているためなのか、
私自身も統合医療について、死について、考え始めた時期でもあったからなのか、
今この時も今日の話がこころを離れません。。。


このまま、家の帰ってもと思い、そのまま、気になっていた映画を
観に行ったのです。


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どうして気になったかというと、先日PRESSにも載せた写真家の藤原新也氏の
ブログを読んだからでもあって。。。

藤原新也氏の9月19日の日記から

「メメント・モリ」から「おくりびと」へのメッセージ
 

現在上映中で好評を博している映画「おくりびと」を数日前に見に行った。


主演の本木雅弘が新聞各所のインタビューで、私の著作「メメント・モリ」がこの映画を作るきっかけとなったと語っていたからだ。彼は20代の後半に拙書を読み、インドを旅したとのこと。そしていつか死をテーマとした映画を作りたいと考え、実現したのが「おくりびと」であるらしい。俳優の発想が監督を動かし、映画が出来上がるというプロセスもユニークだが、こういった長年の間に発酵熟成したイメージが実を結ぶという時間軸をたどる表現は昨今の何事もインスタントに出来上がる時代においては貴重だ。
 

だが、過去に「メメント・モリ」影響を受けたものが表現として昇華したというふれこみの表現はいくつか出会っており、正直なところ作品を見聞きしてみると一体どこに接点があるのだろうと首をひねることも多々あった。だから今回も多少の疑心暗鬼を抱きながらの鑑賞だったが、見終えた感想は秀逸のひとことである。本木君をはじめとする他の俳優、奥さん役の広末涼子、納棺師の親方山崎努、その他、余貴美子、吉行和子らのこの世あの世、あるいは死に対する解釈には隙がないと感じた。映画のストーリー立てもきわめて過不足のないものに仕上がっており、久しぶりに”映画”を見たという思いがある。


映画の内容や評論はこれから映画を見る人のためには邪魔になるので胸の内にとどめるが、ひとつ言えることはこの映画には昨今の映画のみならず絵画、写真、アニメ、マンガ、文芸、ポップス、テレビ演芸など表現一般に氾濫している”おおげさな身振り”や”外連”や”こけおどかし”のようなものがない、淡々とした、時には静謐さえ感じさせるということだ。


私たちの感覚体はマスメディアの過当競争、過剰表現によって昨今非常に鈍感になっており、大きな声、おおげさな身振りにしか反応しなくなっている傾向がある。そのことは私の仕事に対する読者の反応にも現れていて、畳に針を落とすような微細な音を聞き分ける地味な文章や写真を読む力が確実に衰えている。
私の作品を例に取るなら「東京漂流」的な反いつ的で大ぶりな表現には反応出来ても「日本浄土」のような普通で地味なものには反応出来ないという読者がいるわけだ。
 
 
「日本浄土」でも取り上げた松田正平という今は亡き味わい深い画家がいる。
彼の言葉に「犬馬は難し、鬼は易し」という言がある。
つまり犬や馬のような普通でありきたりなものを描くのは非常に難しいが、鬼のような大げさな身振りのものを描くのは易しいという意味である。その鬼が今は氾濫している時代だ。


思えばかつての小津安二郎の「東京物語」のようなとりたてて何が起こるわけでもないのに除々に自分の内部の感情が高まって行き、最期にはある種のカタルシスを覚えるというような地味な映画が興行として成立していた時代というのは、今よりずっと民度が高かった時代なのかも知れない。


そういう意味でこの犬馬の映画「おくりびと」が世間に広がりを見せていることは非常に良い兆候である。そしてこの優れた映画の起点に拙書が関与しているということは嬉しい限りだ。


さて、ところでその「メメント・モリ」のことだが先ほどちょうど、装幀家との数時間のやりとりを終え帰ってきたところだ。
短いものでは2週間で新刊本が本屋から姿を消す恐るべき時代にあって、古典文芸以外で四半世紀もの長きに渡って読み継がれるというのは非常に珍しい本だ。しかし当初から25年目に内容を刷新したいと考えていた。
装幀もそうだが、版元も小さいところだが三五館というところに変え、写真、詩歌ともその4分の1を改ざんしている。そして同時に英語版も作るつもりだ。版元を変えたひとつの理由はあまり商売にもならない英語版を三五館が引き受けたということもある。
とは言うものの、すでにこの本は私の手を離れ、一人歩きをしていることを思えば、手を入れるというもの不遜な気がしないでもない。だが、私自身も清水の舞台から飛び降りる覚悟でやったつもりだ。


そしてこの本の再生とともに私自身もゆるやかな再生へと向かいたいと思う。


_________________________________



興味のある方は是非DVDが出てからといわず、タイムリーで観て欲しいと思います。
だって私も今日観たことがまた必然だったように思えるからです。
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by paris-texas_press | 2008-09-30 23:37 | マダムみこ




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